越中富山のアンポンタン

夕食の後、ビールを飲もうと冷蔵庫を開けたときにインターホンが鳴った。
四角い箱を持ったおっさんがモニターに映っていた。
「はい？」
と言うと
「こんにちは～」
と機械的に言う。

いつもの俺なら、「何の用？」とか「どなた？」と言うのに、なぜかこの時は玄関を開けてしまった。
そこには、真っ直ぐにこちらを見ているモニターに映っていた男がおり、再度「こんにちは」と言ったあと、いきなり歌を歌いだした。
しかも、全く目をそらさずこちらを見ながら。
２小節目に差し掛かったくらいで怖くなりドアを閉めた。

本気で殺されるかと思った。
変態だ。
ここはアキバじゃねえぞ。

その後、耳に残っていたその歌の歌詞の一部を元に調べたら、
「越中富山のアンポンタン」というわらべ歌だったことが分かった。

「越中富山のアンポンタン
　鼻くそまるめて　マンキンタン
　それを飲むやつぁ　アンポンタン

　ソーダ　ソーダ
　ソーダー村の　村長さんが
　ソーダー飲んで　死んだそーだ
　葬式まんじゅう　当らんそーだ」

確かに小学生の頃、こんな歌を聞いたことはあった。

それにしても、最後まであの歌を聞いていたらどうなっていたのだろう。
そして、あの男の正体とは！？

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