無駄

「あなたといる時間が無駄です」
という手紙を渡され最後通告を受けた可愛そうな奴が高校生の時にいた。
それ以来、彼は「ムダ」呼ばわりされたが、今では仲間内では最も高給取りとなっている。

無駄な人など本来いないのだろうが、大きく見れば誰だって無駄だ。

エネルギーを消費し、時間と金を浪費し、他人を不幸にする場合もある。

彼のように、一緒にいる時間が無駄と言われる場合もあるだろう。
そもそも、誰かにとって無駄かどうかは自分では計れないものだ。
それを言ったら、そんな手紙を書くこと自体無駄であって、無駄な男に無駄なことをしているあんたが一番無駄だ！と今なら突っ込んでやるが、当時はテレビドラマでもお目にかかれない代物に出くわしてゲハゲハ笑ったものだ。

人を笑わすということはそれだけで価値があるから、ムダ君は無駄ではなかったのだ。


なんか最近昔話ばかりだ。

NAO/YUKI